えんだより2021年12月分

「マリアは男の子を産む。
その子をイエスと名付けなさい。」
<マタイによる福音書1章21節>


「サンタクロースは海の男」

今年も12月を迎え、クリスマスの時期が
やってまいりました。
新型コロナウイルスの影響もあり、一時は
クリスマス会やページェント(降誕劇)が
出来ないのではないかと懸念した時期も
ありましたが、なんとか舞鶴市内での
感染者数も減り、例年と同じく楽しい
イベントを行うことが出来そうです。
クリスマスと言えば欠かせないのが
サンタクロースですが、昨年のクリスマス会
に出席なさった方の中には、子どもたちの
演じるページェントにサンタクロースが
登場しないことを不思議に思った方も
おられるかもしれません。それもそのはず、
サンタクロースのモデルになったのは
「ミラのニコラウス」と言う人物であると
いわれていますが、この人物は聖書の出来事
よりもずっと後の4世紀ごろを生きた人なのです。
トルコのミラという町の司教であったニコラウス
は、貧しい家の三人姉妹を助けるため、自分が
していると気づかれないように毎晩こっそりと
金貨を入れた袋を窓から投げ入れていたという
逸話が残っています。この逸話の窓が煙突に、
金貨入りの袋がプレゼントの入った靴下に、
貧しい娘が子どもたちに変化し、現在の
サンタクロースの姿が出来上がっていったようです。
出身地から考えると、ニコラウスはトルコ人や
ギリシャ人のような黒髪で濃い色の肌の人物
だったことでしょう。また、ニカイア公会議と
いうキリスト教の教えを確認する重要な会議で
間違った教えを広めた人物を殴ったという伝説も
あることから、実はかなりの武闘派だったのかも
しれません。いずれにしても、現実の
サンタクロースは私たちがイメージするような
雪国でトナカイのそりに乗る太ったおじいさん
ではなく、紺碧の地中海から反射する日差しで
真っ黒に日焼けした筋肉質の男性だったはずです。
カトリック教会や東方教会では、港町ミラで
活躍したニコラウスは子どもたちを守る聖人
であると共に、船乗りを守る聖人であるとも
されています。ミラと同じく港町として栄えてきた
舞鶴に住む私たちにとっては、親しみやすい
人物かも知れません。クリスマスの時期に
海に行く機会があれば、是非困っている人たちの
ために奔走した「海の男」ニコラウスに思いを
馳せてみてください。

聖句
「マリアは男の子を産む。
その子をイエスと名付けなさい。」
<マタイによる福音書1章21節>

讃美歌 「もろびとこぞりて」 
「うまやのイエスは」

今月の歌 「ジングルベル」

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