えんだより2020年12月分

「いと高きところには栄光、神にあれ」
<ルカによる福音書2章14節>

「クリスマスは異文化交流」

 クリスマスが近づき、すでに私たちの園では
降誕劇の準備が始まっています。今年は
コロナウイルスの影響下でのクリスマス会
となりますが、感染防止に最大限の注意を
払いつつも、例年と同じように楽しいイベント
となるように、職員一同知恵を絞っている
ところです。
 数あるイベントの中でも、最もキリスト教
らしいと思われているこのクリスマスですが、
由来を辿ってみると意外にキリスト教以外の
影響が残っていることに驚かされます。
まず日付についてですが、実は聖書には
「イエス様のご降誕は12月25日だった」という
記述は一切ありません。それどころか、
もともとは12月25日に行われていたローマの
太陽神のためのお祭りが、教会に吸収されて
クリスマスとして祝われるようになったのでは
ないか、というのが現在の定説だそうです。
それ以外にも、クリスマス・ツリーは北欧の
ゲルマン人がオーディン神を祀った木に、
チキンは別の民族がお祭で食べた豚の丸焼きに
由来するのではないか、と言われています。
 このように聞くと少しがっかりしてしまうかも
しれませんが、実はここにこそキリスト教の
力強さがあるのだと私は思っています。かつて
キリスト教が世界に広まり始めたころ、宣教師たち
は行きついた土地で現地の人の言葉を学び、
同じものを食べ、同じものを着、共に生活すること
で信頼を勝ち取ってゆきました。その中で、
現地の習慣を取り入れながら、福音(教会の教え)
を伝えていったのです。
 これは一見すると、信仰のスタイルが歪んで
しまったようにも見えるかもしれませんが、
実はその逆で、絶対に変わらない真理が教会の
教えにはある!という確信があるからこそ
できることなのです。
私たちは神様に愛されているということ、
それゆえに私たちはみな大切な存在なのだと
いうこと。これらの変わらない真理に比べれば、
日付や何を食べるかなどということは実に
些細なことに過ぎません。だからこそ、初期の
クリスチャンたちは恐れずに異国の習慣を
取り入れてゆきつつ、どんな文化的背景を持つ人
でもイエス様を無理なく信じることができるように、
配慮をしてきたのでしょう。
 教会の教えは、ちょっとやそっとではびくとも
しない。だからこそ良いものを取り入れてゆく
度量の広さがある。その最も力強い証拠が、
クリスマスというイベントに他ならないのです。

聖句
「いと高きところには栄光、神にあれ」
<ルカによる福音書2章14節>

讃美歌 「あらののはてに」
「もろびとこぞりて」

月の歌 「あわてんぼうのサンタクロース」

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