えんだより2020年6月分

「主よ、あなたは代々に
わたしたちの宿るところ。」
<詩編90編1節>

〔コロナ後のあり方〕

新型コロナウイルスの流行もひと段落し、
私たちの幼稚園でもなんとか保育を
再開することが出来ました。
先日、礼拝のとき子どもたちに
「幼稚園に来れてうれしい?それとも
もっとお家にいたかった?」と
訊いてみたところ、ほとんど全員の子が
「幼稚園に来れてうれしい!」と
答えてくれました。その言葉通り、
まるで空白の数週間を埋めるかのように、
子どもたちは今お友だちと全身全霊で
遊んでいます。
 広く言われていることですが、
おそらく今回の一連の出来事は、
私たちの生活のあり方を著しく変える
ことになるでしょう。人と会うことが
出来ない、出かけることが出来ないという、
私たちの生活の根幹にかかわる制約は
大きなストレスを伴うものでしたが、
一方で新たな可能性が示される機会とも
なりました。ネットやパソコンがあれば、
人と会わずどこにも行かなくても
仕事が出来、最低限の生活は出来るのだ
ということが証明されたのです。
 これから、モノの価値が大きく
変化する時代がやって来ることでしょう。
ある評論家によれば、この数年の間に
「街」の価値が急激に変化しているそうです。
都会には素晴らしいものがあり、楽しいこと
があるという時代は終わりました。
田舎にいてもネットで一流の品物を
手に入れることが出来るようになったから
です。今回の出来事で、この動きは
より一層加速してゆくだろうと私は思います。
 そしておそらく、「人」の価値も今後
変化してゆくことでしょう。今までは、
「誰でも出来ることが出来る」という、
「普通のことが出来る人」が評価されて
いました。しかしこれからは、
「その人にしか出来ないことが出来る」
という、ひとりひとりの個性が評価される
時代になるはずです。その中で、今回の
出来事が単なる災厄で終わるのではなく、
子供たちが自身の個性と才能を伸ばしてゆける、
新しい未来のための一歩となることを
大いに期待しています。


聖句
「主よ、あなたは代々に
わたしたちの宿るところ。」
詩編90編1節

讃美歌  てをあわせ」
「しゅ われをあいす」

月の歌 「雨だれぽったん」

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