えんだより2019年3月分

「御心をおこなうためにすべての良いものを」
<新約聖書 ヘブライ人への手紙13章21節>


「すべての良いものを」

 3月です。2018年度も最後の月になりました。
いつもこの時期になると
一年はあっという間だと思わされます。
大人にとっては昨年とそれほど
変わらないように思うこともある一年ですが、
子どもにとってはそれぞれの一年は
さまざまな変化の一年でした。

一年前はほとんど口を開かないように
見えた子が自分の方から話しかけて
きてくれるようになりました。
苦手で食べられなかったものを
パクパク食べられるようになった子もいます。
お友達との接し方で大きな成長が
見られた子がいます。
特に入園時からを知っている子どもに
ついてはこの数年を思い返すと
豊かな成長の軌跡に心が躍ります。
そして子どもの可能性、人間という
存在の可能性にいつも触れることが出来るのは
本当に嬉しいことだと思うのです。

教育の根本にあるのは、
人は変わることができる、という信頼です。
教育とは「人を良い方に変え
続けていくためのステップ」なのです。
人は生まれたままでは何もできません。
人と人との関係の中で様々なことを
やってみるように促され、
それができるように努力し、
できるようになったことを定着させて、
その自分のものとなった力で
そのたびごとの課題に向き合い、
それを自分自身の力で乗り越える。
そしてまた、次の何かを「やってみる」
⇒「努力する」⇒「できたことの定着」
⇒「課題」⇒「乗り越える」と続きます。
このサイクルが教育であり、
そのようにして人は成長していくのです。

子どもはその過程の中で、
自分の毎日はいつも新しく良い方に
変わり続けることであり、
それは自分自身にかかっていて、
自分は更に良いものに成り続けることが
できるという、生きることの体験を重ねていきます。
その中でその子の心の中に
「自信」「向上心」「希望」が育ちます。
そして、自分が成長していくことを喜び
楽しむという人生の幸いな道筋ができていくのです。

幼児期は、食事、排泄、言葉から始まり、
食器の使用、遊び道具の使用、
仲間との共同、社会ルールの体得、
音楽、文字の習得・・・とさまざまなことに
自分自身で向き合いレベルアップしながら
「自信」「向上心」「希望」を育んでいきます。
幼稚園は家庭、社会と共に
その子の人生の土台を教育によって
サポートする使命に関わります。

忘れてはならないのは、すべての子どもには
造り主である神様が成長のための
必要なものをあらかじめ備えていて
下さるということです。
子どもはなんでもできるわけではありませんし、
得手不得手はあります。けれども
その子自身が喜びをもって
毎日を生きていくことのできる力の源は
生まれついてあるのです。
「御心をおこなうためにすべての良いものを」
神様は惜しむことなくすべての子どもに、
もちろん大人である私たちにも
くださっているのです。
それが人間の可能性です。
三学期の最後の日々もその可能性は
更に引き出されていくのです。
卒園・修了式までの短い時ですが、
その時の中にも子どもの可能性の豊かさを覚え、
子どもたちと一緒に歩んで行きましょう。

私たちに「すべての良いものを」
備えていてくださいます天の父なる神様。
様々なことを学べること、その中で
成長と変化をする時があたえられていますことを
感謝いたします。子
どもの中に神様が備えてくださっている
可能性が大人の私たちにも豊かにあることも
感謝します。
子どもと共に喜びの日々を歩ませてください。
イエス・キリストのお名前によって祈ります、アーメン。

3月の聖書のみことば
「御心をおこなうためにすべての良いものを」
<新約聖書 ヘブライ人への手紙13章21節>

讃美歌  「どんなときでも」「ひかりひかり」

今月の歌 「てとあしグーパー」

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