えんだより2018年7月分

「わたしはあなたの名を呼ぶ」
<旧約聖書の預言書イザヤ書より>


「愛する名前を呼びましょう」

暑くなってきましたね。
夏には夏のいろいろな楽しみがありますね。
プールが始まります。ばら組のお泊まり保育、
そしてご家族もみんなで楽しい夕涼み会があります。
子どもたちと一緒におうちの皆さんも
楽しく元気に夏を楽しみましょう。

 朝日幼稚園では誕生会のたびに
いつもおうちの方に尋ねることがいくつかあります。
その一つが子どもの名前をどのようにつけましたか?
というものです。いろいろな答えがあって
聞いていても発見があってとても楽しいものです。
なによりもおうちのみなさんが、
ひとりの赤ちゃんの誕生を心から喜び
考え祈って名前をつけていることに
いつも暖かな気持ちになります。
名づけ親という言葉があります。
子どもが生まれた時に名前をつけて欲しいと
頼まれる人です。
もしも本当の親に何かあった時には
名づけ親は責任をもってその子を育てる義務があるという
深い信頼関係の中で依頼されるものです。
これは名前がどれだけ重要かをよく表しています。
昔から「名は体を表す」と言われます。
誰でも一番聴きたい言葉は「自分の名前」
だと言われます。名前を呼ばれるたびに
私たちは自分は自分であること、
その名前を呼ぶ人の自分への思いや心を
響きの中から聞き取っているのです。
人は自分の名前を呼ばれることによって
アイデンティティ(自分が自分であり、
他者から尊ばれている大切な存在であり、
そういう自分でいいと感じられること、
自分の個性を受け入れられること、
自分らしさ)を養われていくのです。

映画「サウンドオブミュージック」の話です。
主人公のマリアが家庭教師としてつとめる
トラップ家は7人の子がいました。実は今まで
何人もの家庭教師を追い出してきたという
手の付けられない子どもたちでした。
始めにマリアは父親のトラップ大佐が
子どもたちを名前ではなく軍隊式の呼び笛で呼ぶ姿に
びっくり仰天します。大佐は家庭教師用にと
同じ笛をマリアに渡しますがマリアは言います。
「いいえ、私は笛はいりません。それは人間を辱めるものです。
私は名前を呼びます。ひとりひとりの愛されている名前を。」
勝手にするがいいとばかりに去ろうとする大佐を
マリアは笛で呼びつけます。振り向き怒りをあらわす大佐に
マリアは言います「ごめんなさい。呼び方がわかりませんでしたので。」
笛で自分が呼ばれることの不愉快さを
マリアは大佐に身をもって教えたのです。
それからいつも自分の名前を呼んでくれるマリアに
子どもたちは徐々に心を開き
すくすくと成長していくこととなります。

神は私たちのひとりひとりの名前を呼んでくださるお方です。
子どもの命は神がくださった命です。
神はその子に名をつけその命を育む恵みを
親にあたえてくださったのです。
神と一緒に声を合わせてと子どもの名を呼ぶのです。
私ごとですが私は大家族で育ちましたが
一人ひとりが自分の名前を呼んでくれたその息遣いや
口調や優しさ厳しさを今でもありありと思い出します。
生きていていろいろ苦しいことがあった時など
自分を愛してくれた人たちの自分を呼ぶ声が
心に響いてきます。そしてそれらの声に合わせて
いつも強く静かに神が私の名を呼んでくれる声も聞こえるのです。
朝日幼稚園も一緒に声を合わせて
一人ひとりの名前を大事に呼んでいます。
この子に神の祝福が豊かにありますようにとの祈りを込めて。

私たちの名前を呼んでくださる天の父なる神様。
あなたの呼びかけと共に家族や先生や友だち、
出会う人々がぼくのわたしの名前を呼んでくれます。
ありがとうございます。私たちも大切な思いをもって
ほかの人の名前を呼ばせてください。
交わし合う互の名前の中で神様の子どもとして
豊かに成長させてください。
イエス・キリストのお名前によって祈ります、アーメン。


7月の聖書のみことば
 「わたしはあなたの名を呼ぶ」
<旧約聖書の預言書イザヤ書より >

讃美歌  「おそいくるライオン」「せかいの子どもは」

月の歌 「手をつなごう」

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