えんだより2014年6月分

「いつも善を行うよう努めなさい。」
<新約聖書 教会への手紙から>


「心の中に善いことを書き記す」

     雨が多くなってくる頃となりました。1学期も2ヶ月が過ぎ、
いろいろなことに慣れてきたという部分と、なんとなく疲れたり、
ダレたりしてくる部分と、その両方がでてくる頃でもあります。

 子どもが年月を重ねながらいろいろなことを覚え、身につけて
いくことは喜ばしいことです。私たちの心を一冊のノートに例えると
すると、子どもの心というのは白紙のページがたくさんあるノート
のようなものです。その白紙のところに毎日の生活の中で様々な
ことが書き込まれていくのです。そして、何度も書き込まれている
ことは大事なこととして記憶され心の底に定着していき、何かが
あるたびにそこを開いてそこに書いていることを行うようになります。

 さて、そう考えると、大事なのは、何が書き込まれるのか、
ということになります。善いことが書き込まれれば、何度も繰り返して
善いことをするようになります。反対に悪いことが書き込まれると、
おかしな言い方ですが、悪いことを善いことと誤解したまま、
繰り返して行うようになってしまいます。

 私たちは、しばしば、考えなしに、無意識に、何かをしてしまった
ということがあるでしょう。しかし、それは頭ではそう思っていても、
本当はそうではなくて、今まで生きてきたことの中で書き込まれた
ノートを開いてしていることなのです。同じような失敗をなぜか
何度も繰り返してしまうという時には、そのもとになる心のノートの
間違った書き込みを消す必要があります。その方法の一つが
カウンセリングと呼ばれるものです。ある一定年齢以上になると
そのような方法が必要になるのです。

 けれども、本来は子どもの時から正しい書き込みを続け、間違った
書き込みは繰り返さないうちにしっかりと消しておけば、それが
一番良いのです。例えば悪い例ですが、いうことを聞かせられる
ために悪い言葉で脅されるようにされた子どもがいたとします。
すると、その子には誰かにいうことをきかせるには悪い言葉で
脅すようにするのが良い方法だという書き込みがなされて
しまいます。そして、書き込みが消されないまま、繰り返し
その子の行動パターンとして定着していってしまうと、悪い言葉は
その子にとっては、自分の思い通りに物事を運ぶための
有効なツールになってしまうのです。その反対に良い言葉で
対話しながら教えてと(これはいうほど簡単なことではありませんが)、
ほかの人に何かをわかってもらうのは、丁寧に忍耐強く話すことだ
という書き込みがなされます。良い言葉がその子の有効なツールに
なるのです。そのような書き込みは家庭で、教育の場で、社会でと
様々なところでなされます。もちろん人間はロボットではありませんから、
自分自身も考え感情、意思、知性を巡らせながら、自分の心の
書き込みをしていくのです。

 学問や体力や経験は生きていく上で必要不可欠です。しかし、
心の中の良い書き込みがなければ、、学問や体力や経験を
正しく用いることはできません。幼稚園の時期はノートの余白が
たくさんあります。善いことをたくさん、しっかり書き込むことが
できるのです。悪い書き込みを消すことも大人ほどの手間は
必要としません。人間の脳というのはこの幼少期に書き込まれた
ことが心の一番深いところの基礎になり、その人の無意識の
言動を左右するようにできています。善いことを行うように、
悪いことを避けるように、それが無意識の中でなされるように
成長していけることが人生の土台となるのです。

 神は善いことを私たちに教えてくださいます。目先の利益や
その場しのぎの手段ではなくて、長い人生の中で、本当に
善いこと、また結局はその人のためにはならない悪いことを、
聖書によって教えてくださるのです。主イエス様はそのように生き、
本当に人間が幸福に生きる道を身をもってお教えくださいました。
子どもたちが主イエスに倣い善を行う歩みを重ね、良き将来への
備えがなされますように。

 芋苗遠足、花の日訪問、父の日参観と行事も多い6月ですが、
健康に気をつけ、健やかに過ごされますように、皆様の上に
神の祝福をお祈り申し上げます。

 
 主イエス・キリストの父なる神様。善いことを私たちに教えてください。
そのことを実行し、積み重ねていく忍耐をあたえてください。悪いことに
負けない強い心を形作ってください。子どもたちの未来が
善いもので満たされ、自分だけでなく、たくさんの人に
善いものを分け与えられる子どもとしてください。
救い主・イエス・キリスト様のお名前によってお祈りいたします、
アーメン。



聖句 「いつも善を行うよう努めなさい。」
<新約聖書 教会への手紙から>

讃美歌 「ぱらぱらおちる」「おそらでひかる」 

今月の歌 「でんでんむし」

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