えんだより2014年4月分

「神は愛です。」
<ヨハネの手紙第一 4章16節>


「良い言葉を心に」

   朝日幼稚園のご入園、またご進級おめでとうございます。
大切なお子さんを朝日幼稚園におあずけいただいた保護者の
皆様に、心より感謝申し上げます。子どもたちもご家族のみなさんも
希望に胸をふくらませておられることでしょう。幼稚園も全力で
子どもたちに、むきあってまいります。
 さて幼稚園では、小さな子から年長まで、毎月、同じ一つの
聖書の言葉を口に繰り返して出しながらおべます。ひと月に
一つの聖書の言葉をおぼえるわけです。これは単なる暗記物
ではありません。神の言葉という「良い言葉」を子どもたちの心に
染み込ませたいとの教育の一環なのです。

 最近の大脳生理学や言語学、音声学の研究から明らかに
なってきていることですが、言葉というのは私たちが思っている
以上の、人間の人格形成に大きな影響を与えるのです。悪い
言葉をいつも耳にしたり口に出しているとその悪い言葉がその人の
心を支配するようになります。しかし当然、これは反対の良い言葉にも
同じように当てはまります。良い言葉をいつも耳にしたり口に出したり
しているとその良い言葉がその人の心を支配するようになります。
そして、考え方や心の癖も良いものとなっていくのです。
 ただしここが肝心なのですが、悪い言葉と良い言葉とは同じ
パーセンテージで影響を受けるのではありません。例えば悪い言葉
と良い言葉を同じ50:50で聞いたとしたらどちらの影響を強く
受けるのかというと、残念ながら、悪い言葉の影響のほうが強いのです。
 ではどうしたらよいのでしょうか。簡単なことです。良い言葉を聞き、
口に出すパーセンテージを高めれば良いのです。教育の歴史を
調べればすぐ分かることですが、古来からの教育というのはどこの
国でも、古くからの良い教えの言葉、美しい響きの言葉を声を
合わせて暗唱することでした。最初は意味などわからなくても良い
のです。暗唱しているうちに昔の人たちから受け継がれた良い言葉の
響きが心地よくなってくるのです。そうするとその良い言葉の響きが
悪い言葉を押しのけて、その子の心に染み込んでいきます。そして、
その子の人格を形作っていくのです。
 様々な良い言葉がある中でも、聖書の言葉は現代にまでずっと
受け継がれている折り紙つきの良い言葉です。この言葉に育てられた
人々は国も時代も人種も越えて、数え切れないほどいます。一人
だけあげるならば、今、朝のドラマとして放映されている赤毛のアンの
翻訳者村岡花子さんもその一人です。聖書の言葉は、人を育てる、
間違いのない良い言葉なのです。そして、幼稚園では日常においても
良い言葉、美しい挨拶、丁寧な言葉を子どもたちに教えたいと
願っています。当然、職員たちも自ら省みながら、良い言葉を心がけて
います。お気づきの点がありましたら、どうぞご指摘ください。
 幼児教育は即効性よりも人間としての土台をじっくりと築いていく
ことにその意義があります。少しでも早く何かをするということよりも、
その子の一生の土台をしっかりと形作ることが大切です。
 一つのお願いですが、子どもたちが聖書の言葉をおぼえたときに、
ぜひそれを聴いて褒めてあげてください。言葉はほかの人に聴いて
もらい、反応が帰ってくることによって、ますます力を発揮します。
良い言葉には良い反応が帰ってくるということを知れば、もっともっと
良い言葉を、ほかの人が喜んでくれるような良い言葉を、自分も
喜んでおぼえるようになります。自分の言葉を家族が喜んでくれる
ことは、その子の中の聖書の言葉が生きて働くことに気づける
ことです。
 良い言葉、美しい言葉を交わし合える関係は良い関係です。
子ども同士もそのような言葉を交わし合える場所として幼稚園が
ありたいと願っています。保護者の皆様にもお願いご協力を
賜りますことが多々、ございますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
 私たち人間に言葉を与えてくださいました、イエス・キリストの父なる
神様。子どもたちの幼い、柔らかな心が、あなたからの良い美しい
言葉によって、健やかに育っていけるようにお願い致します。
神を、人間を、自然を、そして自分自身を愛する心が育ちゆきます
ように守ってください。子どもたちを、そのご家族を祝福してください、
主イエスの御名によってお祈りいたします、アーメン。




聖句 「神は愛です。」
<ヨハネの手紙第一 4章16節>

讃美歌 「おててをパチパチ」「こころをあわせ」 

今月の歌 「お花がわらった」

えんだより目次へ戻る