えんだより2014年2月分

「あなたの道をたどり、一歩一歩進みます。」
<旧約聖書 詩編の言葉>

「毎日、この道を歩く」

  朝、幼稚園に来るまでに子どもたちは道を歩いてやってきます。
引っ越しがない限り同じ道を毎日毎日歩くのです。でも地図の上
では同じ道でも、思いや心の中では一日として同じ道を歩くことは
ありません。嬉しい楽しい道の時もあれば、悲しかったり重い気持ち
の道の時もあるでしょう。でもどんな時でも幼稚園を目指して先生や
友だちと一緒に歩を進めて道を歩く日を重ねます。そのようにして
子どもたちの足も体もそして心も成長していくのです。

 
 子どもも大人も私たちのすることの多くはこのようなことの繰り返し
です。けれども、それはとても大事で尊いことなのです。よく経験する
ことですがはじめは泣いたり、ごねたりして幼稚園に引きずられる
ように来ていた子が、幼稚園についてしばらくするとまるでそんな
ことはなかったかのように上機嫌で遊んでいることがあります。
泣いたりごねたりすることにはそれなりの気持ちや思いはあるの
でしょうけれども、たぶん家でその理由を聴いたり話し合ったりしても
ほとんど実りはないでしょう。本当は自分でもよくわからないのかも
しれないのです。


 私たち大人も毎日働きたいわけではないでしょう。主婦も毎日
掃除洗濯炊事をしたいわけではないでしょう。でも、するべき事柄が
待っていて、気持ちはさておき、とにかく行くべきところに生き、
するべきことをするうちに、いろんな思いや何かはどこかへ行って
しまいます。そのようにして一日が過ぎ、また次の一日が
やってきては、時は進んでいくのです。同じことの繰り返しの
ようですが、そうではありません。そのようにして私たちも成長
させられていくのです。
 「下手な考え、休むに似たり」ということわざがありますが、実体の
つかめない内面的なことや気持ちにあまりこだわったり停滞したり
しないほうがよいのです。毎日、同じ道を一歩一歩歩み続ける時に、
人は着実に成長しているのです。教育機関というのは、そんな
当たり前のことを子どもの時から体に染み込ませる場所であると
いうこともできるでしょう。そしてその効果の確かさは子どもの成長
を見るとわかることなのです。

 
 もうすぐこの年度も終を迎えます。子どもたちは歩き続けてきました。
数え切れないほどの歩数のうちのどの一歩がなくても今のこの子は
ないのです。すべての一歩がこの子をここまで連れてきてくれたの
です。そして、どの一歩も誰かからの借り物ではない、自分の力で
歩んだ自分自身の一歩なのです。目立たないことなのですけれども
他のどんなことよりも誇って良いことだと私は思います。この一歩を
積み重ねることによってしか、どんな成長も結果も得ることは
できませんし、一歩一歩を休まず積み重ねてさえいれば必ず成長も
実りも与えられるのです。
 子どもたちは歩み続けます。私たちも歩み続けます。他の誰の
でもない、あなたの自分自身の道を進むのです。それが神が
あなたにあたえてくださった道なのです。


 2月はお別れ遠足で王子動物園に出かけます。寒い季節の
チャレンジングな行事です。子どもたちの体調に早めにご留意
くださるようにお願い致します。ご協力いただくみなさん、
よろしくお願いします。一緒に動物園を歩く子どもたちの
一日に、そして、日々の歩みに神の祝福を。

 
 天の父なる神様、あなたが私たちに歩くための足と歩くべき道を
備えてくださいましたことを感謝いたします。喜びながら、また
時には泣きながら、どんなときにもその道を踏みゆかせてください。
戻ることなく、逸れることなく、他の道に心奪われることなく、
それぞれの道をひたすらに進みゆくことができますように、
お守りください。
 私たちと共に歩んでくださるイエス・キリストのお名前によって
祈ります、アーメン。





聖句 「あなたの道をたどり、一歩一歩進みます。」
<旧約聖書 詩編の言葉>

讃美歌 「つくしのように」「ちいさいいのちが」 

今月の歌 「おにのパンツ」

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