えんだより2014年1月分

「愛によって互いに仕えなさい。」
<新約聖書 ガラテヤの信徒への手紙 5章13節>

「愛は勝つ」

  新しい一年、そして三学期が始まりました。なによりも、
まず新しい時をこうして共に迎えられることを感謝し、
皆様の上に神の祝福を祈ります。

 一月の聖書の言葉として「愛によって互いに仕えなさい。」
という言葉を祈りながら選びました。新しい一年を思うときに、
子どもたちが出会うひとりひとりの人々と愛によって
結び合わされるようにとあらためて願うゆえです。
 子どもたちは「愛」を人に出会うことによって学びます。
まず最初には親に愛されることです。親が自分にしてくれることや、
かけてくれる言葉によって子どもの内に「愛」が染み込んで
いきます。そして、染み込んだ「愛」はその子の中から、外へと
溢れ出していきます。多く愛された子どもは他の人を多く
愛することができる子どもになるのです。

 親が注いでくれた「愛」は別の言い方で言うと「仕える」
ことです。生まれた時から今まで、なにも返すことのできない
子どもという存在に親はひたすらに召使のように数え切れない
ことをしてくれます。それが子どもの体と心に染み込んでいくのです。
そうするとその子の「愛」の表し方も同じ形をとります。他の人の
ために何かをしてあげることが「愛」の表現となるのです。
 それが「仕える」ということなのです。幼稚園では子どもたちは
ケンカやもめたりすることはもちろんありますが、それ以上に、
友だちのために何かをしてあげようと一生懸命になっている姿を
よく目にします。小さい子を助けてあげたり、自分のものを
分けてあげたり、遊びに加えてあげたり、泣いている子を心配したり、
体の不自由な子のそばにいて体をさすってあげたり・・と、
知らず知らずのうちに他の人に仕えているのです。そして、
仕えてもらった者は、そのことをまた、他の人にしてあげるように
なります。互いに仕え合う姿がそこに表されるのです。

 私たち人間には残念なことですが「罪=悪い心」というものが
あります。しかし、「愛」の心もあるのです。そして、そのどちらの
心がその人の心の真ん中にあるかということがとても大事な
ことなのです。育児、教育というのは私たちが子どもたちを
愛することによって、「愛」の心を豊かに育て、その子の心の
真ん中にしっかりと「愛」の心が根付くようにすることなのです。
「愛」だけが「罪」に打ち勝つことができるからです。「愛」が
なければ、知識や技術やそのほかのどんなものを手に入れたと
しても、結局は「罪」のために使うものになってしまいます。
「愛」があってこそ知識や技術やそのほかのものも正しく用いる
ことができるのです。
 幼稚園では小学校からのような成績評価はありません。でも
成績をつけることのできない最も大事な「愛によって互いに
仕えなさい。」ということを心にじっくりと根付かせる大切な
時なのです。
 子どもたちもその幼い心の中で「愛」によって「罪」と戦っています。
そして他の人に「仕える」ことによって、「罪」に勝利しているのです。
そして「愛」の源は私たちすべてのものに命を与え私たちに
仕え養ってくださるイエス・キリストの父なる神です。この方から
「愛」をいただきながら私たちも更に豊かに子どもたちに「愛」を
注いでいきましょう。

 三学期は、年度の最後の学期として、この1年の子どもたちの
まとめを覚える時となります。役員を始め保護者の方々のご協力
を引き続きあおぎます。どうぞよろしくお願い致します。

 愛の源であられるイエス・キリストの父なる神様。子どもたちに、
そして私たちにあなたの愛を染み込ませてください。愛の心に
よって罪の心に打ち勝つことのできる本当の強さを私たちに
与えてください。イエス・キリストのお名前によって祈ります、
アーメン。
 




聖句 「愛によって互いに仕えなさい。」
<新約聖書 ガラテヤの信徒への手紙 5章13節>

讃美歌 「かみのめぐみを」「なかよくなさいとイエスさまの」 

今月の歌 「もちつき」

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