えんだより2013年12月分

「命は人間を照らす光であった。」
<新約聖書 ヨハネによる福音書1章4節>

「家の光」

 冬になりました。朝に夕に空気の冷たさを感じます。
でもだからこそ、冬は暖かさを体で感じられる季節でも
あります。子どもと触れ合うとき、子どもの体のぬくもりに
体も心も温められます。ふたりとも冷たい手であっても
重ね合わせるとそこに温もりが生まれます。神が厳しい
冬を与えてくださったことの一つの意味は、人と人との
距離を縮めてくれるためなのではないかと思うことがあります。

 また、冬は他の季節よりも暖房や衣服など様々な備えが
必要になります。手間がかかるのです。妻は帰ってくる夫を
迎え入れるために、心を込めて暖かい食事と笑顔で備えを
します。寒い中を帰ってくるとき夫はいつも以上に家庭の
暖かさをしみじみ味わうのです。今は暖房も調理器具も
とても便利になりました。ボタン一つで暖かくなり、料理も
温められます。それは良いことですが、手間ひまかけて
部屋を暖め、暖かい料理を備えたいという心は今も昔も
変わりはないでしょう。家族で食卓を囲み、手と手を、
そして心と心をふれあわせて、おたがいを暖め合います。
厳しい寒さの中でもここはとても暖かい・・、そういう家庭の
灯火が、冬の夜を彩ります。どんな美しいイルミネーションよりも、
この「家の光」は美しいものです。


 クリスマスを迎えるとき、いつも主イエス様の家のことを
想います。マリアとヨセフが旅先で家畜小屋の片隅で
お生まれになった赤ちゃんイエス様を布にくるんで
飼い葉桶に寝かせました。寒ければ、自分たちの衣を脱いで
赤ちゃんイエス様を寒くないようにくるんだことでしょう。
イエス様を囲んで、それぞれに抱いて、さすって、頬ずりして
暖めたことでしょう。照明も暖房も暖かな食事もありませんでした。
でも、そこには確かな「家の光」がありました。神は救い主を
赤ん坊として、この世界に送られました。マリアとヨセフという
何の変哲もない家に救い主をお授けになりました。これは、
すべての家に神は来てくださるということのしるしなのです。

 自分自身も子どもである園児たちがクリスマスの劇(ページェント)
を致します。主イエス様の誕生をお祝いすることはもちろんですが、
そのことと共に救い主の誕生を喜ぶ人々の姿を演じながら、
神があたえてくださった命の尊さを学びます。そして、自分自身の
誕生も父母はもちろんたくさんの人々が、そして神ご自身が
喜んでくださっているということを確認することでもあるのです。
クリスマス劇をすると小さな命を慈しむ心が養われます。自分の
命も他の人の命も神は大切にして下さることを知るのです。
劇の本番の時だけではなく、練習を繰り返しながら、台詞を
覚えながら、歌を歌いながら、子どもたちは、そのことを体験
しているのです。それぞれの家の暖かさが劇の中にも美しく
現されてきます。劇の暖かさがそれぞれの家をまた暖めます。

 日が最も短くなるという冬至がちょうどクリスマスの時期に
あたります。最も光が少なく、寒いこの時に、クリスマスを祝い、
主イエスを囲んで、皆が命を喜ぶ時に暖かな光が拡がって
いくのです。それぞれの家でのクリスマスが、こどもの家である
幼稚園でのクリスマスが、そしてすべての人の家である教会での
クリスマスが、共に輝きを放ちながら、私たちは、幸いな12月を
すごすのです。

  どうぞ皆様、クリスマス会を楽しみにされると共に、練習する
子どもたちを励ましてくださいますように。また、役員を始めとして
ご協力をお願い致します。みなさんの上に神の祝福を。


 光の光なる主イエス・キリストの父なる神。私たちのいるところに
いつも光をあたえてください。たがいがたがいを温め合えるように
してください。厳しい寒さが、かえって私たちの心をポカポカと
温めるものであることを知ることができますようにしてくださいますように。
私にできることを教え、そのことをできる力を与えてください。
主イエスのお名前によって祈ります、アーメン




聖句 「命は人間を照らす光であった。」
<新約聖書 ヨハネによる福音書1章4節>

讃美歌 「もろびとこぞりて」「うまやのイエスは」 

今月の歌 「ひいらぎかざろう」

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