えんだより2013年10月分

「あなたの神はあなたを喜びとされる。」
<旧約聖書 イザヤ書62章5節>

「喜ばれている嬉しさ」

  10月には待ち望んだ運動会が行われます。こどもたちも
一生懸命に練習に取り組んでいます。さて、運動会では、
競技をする園児たちは言うに及ばず、応援するおうちの方々が
欠かせません。もしも、誰も見ていないところで運動会を
するとしたら、どんなにか寂しく、つまらないものになること
でしょう。
 こどもたちは運動会で単に競技をするのではありません。
なによりも大好きなお父さん、お母さん、お家の人たちに、
見てもらいたいのです。見ていてくれるお家の方々や
たくさんの人々の声援の中だからこそ、全力で運動会が
できるのです。それは自分自身がお家の方やたくさんの
人々に喜ばれているということを全身で感じ取ることです。
誰かに自分が喜ばれていることを体験することは、子どもに
生き生きとした力をあたえてくれるのです。
 大好きなあの人が喜んでくれる、と思うときに私たちは
自分でも思ってもみなかったような力を出すことができます。
最近の大脳生理学でも明らかになってきていることですが、
人間は自分自身のためによりも、ほかの人のために何かを
することにより、より強い喜びを感じるようにできているそうです。
大人も同じです。家族の喜ぶ顔を見ることができるから、ときに
辛くても私たちは働くことができます。喜んで食べてくれる人が
いるから、面倒な食事の準備を毎日飽きることもなく続けることが
できます。子どもたちも、お父さんお母さん、お家の方々の喜ぶ
顔を見られるから、チャレンジし、失敗しても、へこまずに、
またチャレンジして、一つひとつの成長の階段を駆け上がって
いくことができるのです。
 ここで大事なのは何よりも“喜び”です。評価や結果では
ありません。それはあとについてくるものです。評価や結果に
とらわれすぎると、こどもは、できるかできないかだけで、
親の喜びが変わることを感じ取ります。そうすると失敗が
怖くなります。失敗が怖くなるということは、チャレンジが
できなくなるということです。そうすると成長の階段を昇ることは
チャレンジすることではなくて、いつ失敗するかを恐れながらの
苦しいことになってしまうのです。
 自分が何ができるかではなく、自分自身がそのまま親の
“喜び”となっていることをこどもが感じ取れていることが
一番大事なのです。それさえあれば、何度失敗しても
何度でも立ち上がって、喜んで物事に向かい続けていく、
溺れることのない“生きる喜び”がその子の内から、溢れ出て
くるでしょう。幼い時に、そのことを体験しているこどもは、
次々とぶつかる高く感じられる階段でも
必ず乗り越えていくことができるでしょう。


 こども自身のことをひたすら喜んで見てあげることこそが、
神様が私たち親にあたえてくださった第一の働きなのです。
いろんなことを親はこどもにしてあげることができます。でも、
一番大事なことはその子をその子として見て、喜んであげる
ことなのです。そして、私たち皆のことを神様は天の親として、
そのように見ていてくださるのです。あなたも、こどもたちも、
すべての人を、神は喜んで見ていてくださいます。とても
ありがたいことではありませんか。神にあるこの喜びの中で、
こどもも親も共に喜び合う、運動会を致したいと思います。
 役員の方を始めとして、保護者のみなさんのご協力を
どうぞよろしくお願い申し上げます。
 暑さと涼しさが交互にやってくる季節です。こどもたちと
みなさんの健康と祝福を祈ります。


 私たちを“喜び”としてくださるイエス・キリストの父なる神様。
秋になり、運動会も近づいてきました。準備からすべてを守り、
こどもたちの練習を祝福してください。毎日の生活もしっかり
食事をして、ぐっすり眠って、元気に幼稚園に来ることが
できますように。お父さんお母さんの毎日も守ってください。
イエス・キリストのお名前によって祈ります、アーメン。



聖句 「あなたの神はあなたを喜びとされる。」
<旧約聖書 イザヤ書62章5節>

讃美歌 「むぎのたね まきます」「おそいくるライオン」 

今月の歌 「でぶいもちゃん ちびいもちゃん」

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