えんだより2013年3月分

「イエス・キリストの恵みが、共にあるように。」
<新約聖書 ガラテヤの信徒への手紙 6章18節>


「神の恵みと共に」


  いよいよ3月になりました。時の流れの早さを思いながら、
それ以上に子どもの成長の早さに驚きを覚えます。食事
ひとつを見ても1年前とは見違える程、量の減り方が違います。
毎月の聖書の言葉も4月に比べると格段に長い聖句に
なっていますが、みんな苦もなく暗唱できます。一人一人の
中にある命の力、ご家族の方々の愛の力、幼稚園での
教師と友だちの交わりの力、そのすべてを与えてくださる
神の力によって、子どもは大きく、伸びやかに育っています。
 卒園する子どもたちへの文集の言葉を記しながら、一人一人の
ことをあらためて思いめぐらしました。どんな小学生に、中学生に、
高校生に・・というあたりまでは、なんとなく想像できるのですが、
それ以上は私の想像力が及びません。また、それで良いのだろう
とも思います。子どもの内に秘められている可能性は、教師や
周りの人や、そして親の思いも遥かに超えているからです。


 相対性理論で有名なアインシュタインは4歳になるまで
話すことができず、7歳まで文字が読めませんでした。
漫画「スヌーピー」の作者シュルツは子どもの頃から
恥ずかしがりで一人で時間を過ごすことが多かったそうです。
映画インディ・ジョーンズシリーズの俳優ハリソン・フォードは
子どもの頃「最も成功しそうにない少年」として選ばれ、
いじめられっこで女の子にももてませんでした。坂本龍馬は
ひどい泣き虫で10歳まで夜尿が治らず勉強もできませんでした。
画家ピカソは絵を描くこと以外は何もしようとせず、勉強は
全くと言っていいほどできませんでした。おそらく、周りの誰も
彼らの後の姿を想像することができなったことでしょう。
もちろん、子どもの頃から、後の姿を予測させるような方々も
たくさんいます。けれども、一つ言えることは、その子には、
その子にしかできない、その子だけの将来があるということです。


 私たちは今の自分や子どもの長所、短所を数え上げては
一喜一憂してしまいがちです。けれども、長所と短所は
だいたいは表裏一体なのです。集中力があるというのは、
ほかのことに気が利かないことになりますし、気が短いのは
行動力があるということでもありますし、動きが鈍いのは
ゆったりしているとも言えます。長所だけ、短所だけということは
まずありません。また、短所を克服しようとして、かえって
そのことが得意になるということもあります。私事ですが、
私は初めての人と会うのが大の苦手でした。しかし、ある人から、
「苦手でもやらなければならないことについては、こっちから
攻めていくしかない」と言われて、思い切って、そのように
してみました。最初は本当に苦痛でしたが、今は全く
なんでもなくなりました。みなさんにもそんな思いが
あることでしょう。ある意味、苦手なことというのは自分の中で
勝手にそのことへのハードルを上げて高いものを望んで
しまって、それに到達できない自分を難しく見すぎているだけ
なのかもしれません。


 子どもたちを見て、様々なことを思うのは、それだけで
悦びに満ちているひと時なのです。子どもが与えられている
ということは、それだけで他の何者にも変えられない恵み
なのです。卒園式、通級式に向かって、なによりもこの豊かな
恵みを味わい噛み締めたいのです。
 この3月、子どもたちとみなさまの上に神の祝福が共に
ありますように。


 私たちに良いところを、そしてかけたところを、どちらも
与えてくださいました天の父なる神様。あなたはわたしたち
それぞれにみな違った個性を与えてくださいました。それを
十分に生かして、私たちが大きくなり、将来の希望の道を
一歩一歩歩んでいけますように祝福してください。
イエス・キリストのお名前によってお祈りいたします、アーメン




聖句 「イエス・キリストの恵みが、共にあるように。」
<新約聖書 ガラテヤの信徒への手紙 6章18節>

讃美歌 「どんどこ どんどこ」「ひかり ひかり」 

今月の歌 「どじょっこふなっこ」

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