えんだより2012年12月分

「神の恵みが現れました。」
<新約聖書 テトスへの手紙1章11節>


「暖かな心を」

  子どもたちの服装もいつの間にかすっかり冬支度になりました。
みなさんもこたつやストーブの準備をなさったでしょうか。一日ごとに、
冬が一歩一歩近づいてくるのが肌で感じられます。寒い季節に
なりました。そして、そんな季節の変化の中でこそ、見えてくるものが
ありますね。山々の木々の葉っぱが、紅に変わります。ツバメが
姿を消して、代わりにガンやカモの姿が目に付くようになりました。
冷たい風の中で、火が親しく感じられます。そんな普段あまり
眼に留まらないことが、季節の変わり目には、鮮やかに心の中に
とびこんできます。


 今、子どもたちは、クリスマス会の練習に毎日、一所懸命です。
台詞を覚え、動きを覚え、お友達と心を合わせて、ページェント
(キリストの降誕劇)をつくりあげていきます。その練習の中で
子どもたちの思いと心も静かに変えられていきます。うまく
できなかったことが、できるようになる中で、笑いが増えて、
心の中から喜びと嬉しさが湧き上がってきます。

 
 イエス・キリストの誕生をお祝いするのがクリスマスですけれども、
実はイエス様のお誕生日の正確な日付はわからないのです。
4世紀に、教会で話し合って、12月25日をクリスマスと定めました。
その日は冬至の頃で、最も日が短くて、そこから、今度は日が
少しずつ春に向かって長くなっていくのです。この日をイエス様の
誕生日と決めた理由は、細かく記録には残ってはいませんが、
私はわかるような気がするのです。
 どんどん短くなっていく日の中で、クリスマスのお祝いの準備を
重ねていきます。昔は火を焚きながら、今は暖房機を使いながら、
部屋を暖めてクリスマスの準備をします。12月という寒さの
深まる中でするクリスマスの準備は、人と人が集まって何かを
しながら暖まることの嬉しさを体で知る素晴らしい時と思うのです。
 その暖かさは、体だけではなく、心も照らし暖めてもらうために
真の光・世界を照らすともしびである神の御子イエス様のところに
みんなでつどい集まっていくというページェントとして完成するのです。


 クリスマス、そしてページェントは私たち人間の心を、イエス様に
あって、ポカポカと暖めてくれるのです。そして、その経験は
子どもたちの将来の中でも大きな意味をもつと思うのです。
 いろんな季節があるように、成長していく中で、私たちにも、
子どもたちにも、時々、冬の日がやってきます。心が冷え冷えと
してしまう時、人との関係がうまくいかなくなってしまう時、冬のような
寒さの中で心も体も凍てついてしまうような時、どうしても避けられない
そんな時があるのです。そんな時、そんな冷たい日々と心をポカポカ
暖めてくださる神様のことを思い出すのです。クリスマスの不思議な
暖かさが体によみがえってくるのです。これは私自身の経験でも
あります。

 
 もし、クリスマスが物珍しさだけの外国の行事にすぎなかったらば、
とうの昔に、日本の国でも、外国の国々でも、ほかの行事や、
年末の慌ただしさの中で、忘れ去られていたことでしょう。
寒い日の中での、不思議なクリスマスの暖かさをたくさんの人が
知り、繰り返したくなって、いつしか、世界最大のお祝いになり、
私たちも、このお祝いを毎年祝うのです。
 子どもたちの心あたたまるページェントをどうぞお楽しみに。
みなさんの心の中でも暖まってください。
 みなさんに神の豊かな祝福を。


 私たちのためにこの世界にきてくださった、光であり、ともしびである
神の御子イエス様。クリスマスのお祝いができることを感謝します。
一緒にすごせる家族、友だち、なかま、場所があることを
ありがとうございます。神様の周りに集まると、みんなの心も
体も暖かくなります。そんな暖かさがよくわかる、冬の日の寒さも
ありがとうございます。ぼくたち・わたしたちを、かみさまによって
あたためてください。ぼくたち・わたしたちも、ほかのひとたちを
あたたかくすることができますように。

聖句 「神の恵みが現れました。」
<新約聖書 テトスへの手紙1章11節>

讃美歌 「もろびとこぞりて」 

今月の歌 「あわてんぼうのサンタクロース」

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