えんだより2012年9月分

「キリストによって、わたしの心を元気づけてください。」
<新約聖書 フィレモンへの手紙20節>


「心と心をめぐりゆかせて」

  まだまだ暑いとはいうものの、朝夕には秋の気配を
感じます。そして。新しい学期にまた、幼稚園での
歩みが共にできますことを感謝しています。
2学期になると、それぞれの年齢の中でも子どもたちの
成長がはっきりしてきます。運動会、クリスマス会と、
その力を発揮してくれる時が今から楽しみですね。


 さて、夏の間、子どもたちとどのようにみなさんは
おすごしになったでしょうか。
 誰かと共にすごすというのは、その相手と心を通わせあう
ということです。私たちは相手と、心と心を行き来させること、
すなわち自分の心にあるものと相手の心にあるものとを
交流させながら生きているのです。
 自分の心にある良いものを、相手に与えると、その相手の
心の良いものが、自分の心の中の空いたところにすうー、と
入ってきます。相手に良いものを与えようとしている人には、
相手の良いものも、どんどん入ってきて、ますます豊かに
されるのです。それは清流が絶えず流れている澄んだ
小川のような心です。
 反対に自分の心にある悪いものを、相手に与えると、
その空いたところに、相手の悪いものが、ずずっと入ってきます。
相手に悪いものを与えてしまうとどんどん相手からの
悪いものも入ってきます。それは濁った沼のようです。
その水を飲んだ人は、はき出して、更に自分のゴミや泥を
そこに投げ込んでいくのです。


 子どもと私たちの関係も同じです。
 「あなたがいると、お父さんもお母さんも元気がもらえるんだよ。
  あなたが朝起きることも、ご飯を食べることも、幼稚園に
  行くことも、遊ぶことも、学ぶことも、眠ることも、あなたが
  いてくれることそのものが、私たちの元気そのものなんだよ。」
と言葉で、態度で、眼差しで、子どもに、あなたの心の最も良いもの
である「愛」を与えていくときに、子どもは驚くほど良いものを
豊かにあなたの心に注いでくれます。
 反対だとどうなるでしょうか。「あなたのおかげで毎日大変で
 かなわんわ。はやく起きて、さっさとご飯食べて、もう幼稚園に
 行って。遊んでばっかり、それでいて結構小賢しいことも
 おぼえるようになっちゃって。あなたがいるとほんとにえらいわ・・」
言葉には出さずとも思いや眼差しでこのようなメッセージは子どもの
心に刺さります。そして、あなたの心も刺されることになってしまいます。


 ただ、実際は、このどちらかだけではなくて、この両方が混ざり合って
いるのが、私たちの現実なのです。そして、私たち人間はあまり
考えないで物事をしようとすると、残念ながら、良いことよりも
悪いことをしてしまうものです。私たちはあまり考えないと心の中の
悪いものを出してしまうことが多いということは自覚したほうが
良いのです。
 今月の聖句「わたしの心を元気づけてください」と相手に書いた人は、
「あなたは私を元気づけてくれる、大事な人です」という良い心の
メッセージを相手に送ったのです。「キリストによって」というのは、
その相手を神が自分にあたえてくれた大切な相手だという神と
人への信頼を表しているのです。受け取った相手も嬉しく感じて、
良い思いを返すことができたのではないでしょうか。良い心を
互いに巡りゆかせて豊かになる知恵がここにはあります。
 子どもにも、夫にも、妻にも、そして身近な人とも、子どもたち同士も、
心の中の良いものを分かち合いましょう。この2学期もそのような
豊かさを分け合える日々をおくりたいと願います。
 子どもたちのうえに、みなさんのうえに神のお恵みを!!



 いつも私の心を元気づけてくれる、子どもを、夫を、妻を、
身近な人々を、あたえてくださった天の父なる神様。
私たちにどうぞ良い心とそれを分け与えることのできる
知恵をあたえてください。他の人々の良い心もたくさん
受け入れることができますように、心も思いも聞いてください。
2学期の毎日の保育、行事、プログラムも楽しく元気に
進んでいくことができますように。子どもたちの元気によって、
私たちも、元気をもらえますように。救い主イエス・キリストの
お名前によってお祈りします。アーメン


聖句 「キリストによって、わたしの心を元気づけてください。」
<新約聖書 フィレモンへの手紙20節>

讃美歌 「ちから」「わたしはしゅのこどもです」

今月の歌 「虫のこえ」

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