えんだより2012年7月分

「恐れるな、わたしはあなたを助ける。。」
<旧約聖書 イザヤ書41章14節>


「怖いものはありますか?」

 「あなたの怖いものは、なんですか?」そうきかれたら、
どのように答えるでしょうか。一昔前には怖いものと言えば
「地震、雷、火事、おやじ」と言われました、(「おやじ)は今は
どうかわかりませんが、昔は怖かったのです)。子どもの頃
というのは、特にいろいろと怖いものがあるものです。かくいう
私も昔はとても怖がりでした。住んでいたのが、わりに大きな
家だったので、子ども部屋から離れたところにあるトイレに
行くのがとても怖かったのです。お化けとか幽霊、何か
えたいのしれないものが暗闇に潜んでいるような気がしたのです。
ある時には叔母さんに恐怖映画に連れて行かれて、あまりの
怖さにひきつけをおこしそうになったこともありました。


 ところが、確か小学校5年の時だったと思いますが、夜、
部屋に一人でいるときに、突然にこう思ったのです。
「お化けや幽霊なんてものは本当はいないんだ。」その時から、
まるで、つき物が落ちたように暗闇も何も全く怖くなくなったのです。
どうして突然そうなったのかわからず、不思議な体験でしたが、
今になってみるとこう思います。人間は正体のわからないもの、
自分の力の及ばないものを怖がるものです。「幽霊の正体
見たり、枯れ尾花」ということわざがありますが、正体がわかって
しまえば、もう怖くないのです。自分の力が及ばないとしても、
それなりの手を打つこともできるのです。私もそれまで心の中に
あった幽霊やお化けの正体が成長する中でわかったので、
怖くなくなったのだと思うのです。


 さて、それは良かったのですけれども、その後、成長するに
つれて、幽霊やお化けどころではない怖いものが世間には
山ほどあるということがわかってきました。若いときには
「自分は大人としてやっていけるのだろうか・・」と将来のことに
ついて、恐怖に近い感情を持ちました。
元気はつらつとしている(後になって、それぞれがそれなりに
実は悩んでいたことがわかりましたたが。ついでに言うと私自信も
周りからは明るく悩みの無い人間と見られていたようです。)
仲間たちを見て、自分はダメだと暗い気持ちになったものです。
生きることは楽しいものですが、その一方で生きていく中で
次々と起こってくる不安や恐れを免れることのできる者は
一人もいません。そして、それに自分の力だけで立ち向かう
ことには限界があり、自分だけの力で頑張っているとクタクタに
なってしまうのです。


 神は、そんな私たちを助けてくれます。神は人間には及ばない
力で私たちの不安や恐れの中に共にいてくださるのです。
子どもに幼いときから、自分の力を出し切ることと共に、
神が一緒にいてくれることを伝えてあげることは、とても大切です。
自分の力の及ばないことを、神に委ねることによって、自分の
するべきことに力を出し切ることができるからです。そのような
ことを身につけてこそ、自分がやらなければならないことに
自分の力を集中することができるようになっていくのです。
神に頼ることは弱いことではなく、強くなることなのです。神に
頼ることを知る子どもは成長するにつれて、ますます強く
育つのです。


 7月には、ばら組のお泊り保育があります。子どもたちが
成長のために越える一つのハードルです。神の助けを
いただいて、一緒に強く越えていきます。クラス懇談、
プール、等の事々が守られますように。「お父さんの会」では
夏の行事も計画進行中です。子どもたち、皆さんの上に、
この夏も祝福を祈ります。神と共に、みなさんと共に
暑さの中を進んでいきましょう。


 私たちをいつも助けてくれる天の父なる神様。私たちは
外側では何でもないようなふりをしていても、本当は怖いものが
たくさんあります。自分だけでは、心が縮こまってしまうって、
自分にできることもできなくなってしまいます。自分には
どうしようもできないことは、神様イエス様におまかせします。
助けてください。守ってください。そして、自分のできること、
しなければならないことに、全力で向かうことができますように
してください。この夏も私たちみんなを守り、祝福してください。
イエス様のお名前によって祈ります。アーメン。
 


聖句 「恐れるな、わたしはあなたを助ける。」
<旧約聖書 イザヤ書41章14節>

讃美歌 「ことりたちは」「ぱらぱらおちる」

今月の歌 「かもめの水兵さん」

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