えんだより2010年6月分

赦し合いなさい。
(神がキリストによってあなたがたを赦してくださったように、)
<新約聖書 エフェソの信徒への手紙 4章32節 >

「赦し合える喜び」

 ご存じの方も多いと思いますが「大草原の小さな家」
というアメリカのテレビドラマがあります。開拓期の
アメリカの5人家族の物語です。主人公の少女ローラは
おてんばで、けんかっ早いところがあり、両親にしばしば、
いましめられるのですが、
そのシーンはいつもよく似た形で描かれます。

 静かに、ゆっくりと語りかける父親(母親)の言葉を、
ローラは黙って聞き、少し考えてから「ごめんなさい、父さん
(母さん)」と謝ります。すると父親(母親)は、それ以上は
何も言わず、ほほえみを浮かべて赦してくれるのです。

 一見、どうということもないようなシーンなのですが、
実際の場になると、これがなかなか難しいことを
経験させられます。
子どもが、「ごめんなさい」と言っているのに、そこから、
あれこれと余計なことを言ってしまうのではないでしょうか。
そのうち、関係ないことまで持ち出してきて、
「だいたい、おまえは、ああだ、こうだ」
と責めたててしまうことさえあります。
そして、ほほえみどころか、もう謝っているのに、
怒りだしてしまうことさえあるのではないでしょうか。

 子どもが「ごめんなさい」と言ってからが、
長くなってしまうのです。これでは子どもはいやになって
しまうでしょう。そして、そのうちに、どうせ、赦されないならば
謝ってもしょうがないや、と考えるようになってしまうのでは
ないかと、深く自省させられるのです。

 スッキリと「赦す」ということができないのです。咎めること、
責めること、怒ることはできても、「赦すこと」が、なかなか
できないのです。

 人は誰でも、自分以外の人の欠けはよく目につきます。
ましてや、自分の子どもならば尚更です。しかし、その子の
欠けを指摘するということは、それを赦して、その子を
暖かく迎え入れるということと、いつも一緒でなければ
ならないはずです。

 もう一歩、踏み込んで考えてみると「赦す」というのは、
そのときの言葉や態度だけにとどまるものではありません。
子どものこよをそのまま受け入れ、子どもの欠けを一緒に
負って、その子を助け、育み続けるという親の愛の責任を
しっかり受け止めていくことも含んでいるのです。

 子どもを叱る時の中心は叱ることではなく、赦すことと、
その後に、その子を支え続けることにあるのです。
子どもを叱ることは、赦しと成長へ向かうための
始まりであって、目的ではないのです。

 「赦し合いなさい」と聖書は教えます。そして、この言葉には
まず、すべての者がキリストにあって、赦されている者で
あることが記されています。私たちも皆、欠けのあるものです。
ただ、社会的な常識や、世事になれているので、
目立たないだけなのです。そして周りの人々も、お互い同士、
あれこれ言って言い返されるのもイヤだし、責任もとれないので、
言わない、言えない、だけなのです。

 でも、欠けがある以上、やはりそのことを言ってくれる存在、
赦してくれる存在は不可欠です。神は私たちの親としてそのように
してくださいます。自分にとって耳の痛いことを言われたり、
聞いたりしたとき、神はあなたに語りかけておられるのかも
しれません。まず、黙って聴いてみて、悪かったと思ったら、
心の中で神に謝ってみましょう。
神の子イエスのほほえみを浮かべた赦しの暖かさが
心を染みてきます。
そして、自分が赦されていることが、感じられるとき、
そのキリストの赦しの心に一緒に思いを沿わせるように、
子どもを赦す心が、あたえられくるのです。

 そうすると今度は、赦す方とばかり思っていた自分が、
実は、子どもの方からも、赦されて受け入れられているから、
親であることができることがわかります。
親子で赦し合える・・・、なんて素敵なことでしょうか。

 あなたの家も、朝日幼稚園も、主イエスにある赦し合いの
場所として、祝福されますように。


 
お祈り
 私たちを、どこまでも赦してくださるイエス・キリストの
父なる神様。子どもや、夫(妻)の欠けを責め立てて、
赦さないことがありました。私にも欠けがたくさんあります。
正してください、赦してください、そして、あなたの
赦しの中で他の人を赦せる心を持つことができますように。
赦される喜ぶと、赦すことのできる喜びで、私と、
私の家族と、私の周りを満たしてください。
 救い主イエス・キリストのお名前によって祈ります。
アーメン。

聖句 赦し合いなさい。
(神がキリストによってあなたがたを赦してくださったように、)
<新約聖書 エフェソの信徒への手紙 4章32節 >

賛美歌 「きよいあさあけて」「ちいさいおててに」

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