えんだより2010年4月分

神は愛です。
<新約聖書 ヨハネの手紙第一 4章16節 >

「愛によって育つ」

ご入園、ご進級おめでとうございます。
大切なお子さんを朝日幼稚園におあずけいただき
感謝申し上げます。ゆだねられた尊いお一人お一人の
お子さんを大切に育ててまいる所存です。

 朝日幼稚園はいくつかの保育の基本方針を掲げて
いますが、その中心にあり、最も大事なことで、
いつも変わることがないのが、「神が私たちを
いつも愛していてくださる」ということです。
 
 愛はあまりひけらかすようなものではありません。
見た目にはなんでもないように見える事柄のうちに
ひっそりと、しかし、たしかに息づいている・・、
愛とはそういうものです。

 神は天地万物を、そして私たち人間を造ってくださいました。
そして、いつもともにいて、すべての必要を満たし、
育んでくださいます。けれども、そのことを声高に
言い立てることはなさらないのです。その神の愛にならい、
静かな、そして、確かな愛を子どもたちに注いでいきたいと
思うのです。

 すべては、まず、一人の子に、向き合うところから
始まります。

 子どもは規格品ではありません。みな、神ご自身が
造られた個性豊かな存在です。その子の良いところも、
そしてかけているところも、すべてを丸ごと抱きしめるように
受け止め、理解するようにしていきます。まず、共にいて、
見つめること、そして受け止めることです。

 そして、注ぐべき愛はひとつですが、その注ぎ方は
さまざまです。子どもはみな性格も体質も感覚も
違いますから、その子に適した注ぎ方があるのです。
注ぐ愛は同じでなければなりませんが、その注ぎ方は
違いますし、それを知ることが大切なのです。
 
 このようなことは、時間がかかります。けれどもかけた
時間の分は確かにかえってきます。

 自分を丸ごと受け入れられて、安心して、ゆっくりと、
静かに愛され続けていると、子どもは、自分が何を
本当にしたいのか、そのために何が必要なのかを考え、
行動するようになっていきます。夢や希望ややる気は
愛の中で育つものなのです。

 それはまた「生きる力」と言い換えてもよいのです。
その子の内側からそういう「生きる力」が湧き出して
くるのです。つい陥りがちなことですが、子どもを早くから
成長させようと矢継ぎ早に要求したり、頑張らせる必要は
ないのです。愛されていれば子どもは自分で自分の課題に
向かって驚くほど熱心に力強く進んでいきます。自分で
自分のしたいことに取りくむのは、要求や強制に
よるものでも頑張りによるのでもありません。自分が
したいことだから、したいのです。
 
 それが「育ち」であり、そのように育ちながら、
子どもはたくさんの実を実らせていくのです。
それが、喜びや平安、忍耐、寛容、善意、誠実、
親切、柔和、節制として育ち、表れてくるのです。
これらの人間に必要な徳とも言うべき心の在り方は、
愛によって少しずつ育っていくものなのであって、
外側から一朝一夕に貼り付けるようなことは
できないのです。

 それぞれのご家庭で注がれている愛に加えて
幼稚園の生活の中でご家庭とはまた違った方向から、
注がれる愛が子どもをそのように育てていきます。

 朝日幼稚園は大きな園ではありません。けれども、
スタッフは充実していると自負しています。そして、
少人数だからこそ、できることがたくさんあると
思っています。
 子どもたちとともに、ご家族のみなさんも
この神の愛をたっぷりといただく一年を過ごして
いきましょう。きっと、楽しい一年になることでしょう。
愛の神からの祝福をお祈りいたします。



お祈り
新しい一年が始まりました。
入園・進級したこの子を見て、
あらためて思います。
神様、ありがとうございます。
これからも、この子に愛を注いでいきたいと
願わされます。
忙しさや慌しさについ流されてしまうような
毎日の中で、朝に夕にくぐる幼稚園の門で、
目には定かではなくとも、一日一日
確かに育まれているこの子を思います。
愛の神様、この子があなたの愛の中でのびのびと
育っていかせてください。
一年間、いろいろなことがあると思います。
あなたの守りに信頼します。
あなたの祝福を豊かにあたえてください。
愛の神の子イエス・キリストの名によって祈ります。
アーメン。

聖句 神は愛です。
<新約聖書 ヨハネの手紙第一 4章16節>

賛美歌 「あさひがぱっと」「てをあわせ」

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