えんだより2004年11月分

初めに、神は天地を創造された。
<創世記 1章1節

第52回朝日幼稚園運動会

10月2日に、私たちが待ちにまっていた、朝日幼稚園運動会が行われました。
今年が、第52回の歴史がある運動会は、
楽しさの中にも重みと深さを感じさせる、ものでありました。
私は、園長としても保護者の一人としても、はじめての参加ですから、
期待と不安に心をはずませながら、その日の朝を迎えました。
まるで、自分の運動会のように、私はこの日を心待ちにし、
楽しみにしてきました。


春から、運動会当日までの間、直接的にまた間接的に、
これまで何度の教師会を繰り返してきたか、知れません。
夏休みの暑さの中で、より具体的にそれぞれのクラスの競技の内容が、
煮詰められてゆきました。そして、夏休みを明けて9月に入り、
どのクラスも園児たちの、実際的な練習が始まりました。
その中でも、とくに力が入っていたのは、バラさん(年長)でした。
練習中も、気迫がありました。


「自分たちが、年長さん。」という気持ち、そして、
「これが、朝日幼稚園の最後の運動会。」、という気持ちがバラさんからは、
いつもみなぎっておりました。昨年度の、バラさんの演技を見ながら、
来年は自分たちがあれを、することができる。
そして、今年の運動会では自分たちが、スミレさん(年中)やタンポポさん(年少)に、
見られるところに立つのだ、というような思いがバラさんには、
あるように思いました。


9月いっぱいは、ほとんど定時に帰る教師は、おりませんでした。
大概、いつも遅くまでクラスに残って、CDプレーヤーの前にかじりついて、
クラスの園児の振り付けを考えたり、園児がもつ楽器のリズム割りをしたり、
などしてきました。
教師にとっても運動会は、一年の中で特別に大事な行事の一つです。
それは、すべての園児が真剣になって、
それでいて笑顔をもって楽しむことのできる、運動会のためです。


前日には、役員さんと教師と共に、新舞鶴小学校の校庭でライン引きをし、
打ち合わせをしました。そうして、運動会の当日を迎えました。
早朝は、小雨のパラつく空模様でした。
今日は、高齢の方も来られる、妊婦もおられる、そして、子どもたちの健康を優先させる、
ということでグランドではなく、体育館にて行うことに決めました。
そのため、急いで万国旗や荷物を館内に、
お父さん方に運んでいただきました。


そして、開会式をへて競技が、始まりました。
「ヨーイ・ドン」は、全園児によるカケッコです。
小さなアンヨでオシリをフリフリ、ゴールを目指して走ってくる、ヒヨコさん(満3才児)
が印象的でした。競争心など、まるでありません。
走っている姿を見ているだけで、私たちの顔は溶けだしてきます。
ほんの2年ほど前の、はじめて立ち上がった日の、わが子のことがきっと、
誰の心にも思い出されたことでしょう。


次いで、タンポポさんの「おむすびコロリンスットントン」、
スミレさんの「ももたろう」、です。
これは、子どもたちにとって、なじみのある物語でした。
ここにも密かな仕掛けがあり、これまでの保育の中で、この物語に絵本やお歌で、
子どもたちは親しんできたのです。つまり、この物語が頭の中に入っている、
子どもたちにとっては、あの競技の中でその物語に、
自分たちが入り込んだように思えたでしょう。


そして、昼食後にバラさんの鼓隊、「まほうのおまじない」、を見ました。
入場の前に、父母の会会長のHさんが、「私も、小さいときにこれをしたんですよ。」、
と教えてくださいました。
Hさんも、朝日幼稚園の卒園者であり、そのときから朝日の鼓隊は
受け継がれてきた、のであることをそのときに、はじめて知りました。
カッチリとした、鼓隊の制服も凛々しく、バラさんにひときわ、似合っていました。


演奏内容もバツグンでした。あのテンポの速い曲を、しっかりとそれぞれの担当に、
分かれて演奏できました。
力がわいてくるような、感動を誰もが受けた、ことと思います。
この曲の詩には、元気のない一人の友だちを、みんなでセイイッパイ勇気づけよう、
というメッセージがあります。
実に、バラさんはこの「まほうのおまじない」、はふりつけをしながら、
歌えるほど普段の保育でも、よく歌っているものでした。

このように、運動会のときのことを、振り返り思い出しながら、
すべての園児が真剣になって、それでいてメイッパイ、楽しむことのできる、
そのような運動会が与えられた、と心から思います。
しかしそれが、一朝一夕にできるものではないし、子どもたちに説明したから、
といってそれが達成できる、というのでもないでしょう。
やはり、日ごろからの備えがあるからこそ、できたのだと思います。


つまり、その備えとは朝日幼稚園の、日ごろからの保育です。
そして朝日の子は、普段からいつも、楽しみながらしかし、ふざけるのではなくて、
何でも真剣に取り組む。
それは、これからの歩みにかならず、プラスに働くでしょう。
この運動会は、そのような意味から、朝日幼稚園の保育の延長線上にあるのです。
すべてが、普段の保育と重なっており、それが運動会という機会に、
あのように豊かに実ったのです。


毎日の積み重ねは、目には見えづらいけれども、朝日幼稚園の保育の確かさ、
を知らされたように思います。
そして、この運動会も日ごろの、保育の実りでありながら、しかしまた3年間
の保育の一環(ステップ)でもあります。あの運動会の日から、さらに保育は展開をし、
またそれぞれの子の、新しい可能性が引き出されてきています。
子どもたちは、一歩一歩着実にその足を、踏み進めています。


最後に、運動会のために、役員の方をはじめとする、
多くの保護者の方々、卒園者のご父母の方々、の協力がありましたことを、
心から感謝いたしております。
皆さんと良き信頼関係を結びながら、
これからも子どもの成長を、共に祈りたいと思います。


神さま。
今年の運動会も、豊かな実りとともに、与えられました。
何よりも、子どもの成長をあなたが守り、新しい可能性を引き出してください。
台風や地震のために、被災している地域が、いくつもあります。
この世の創り主である、あなたが復興の道を開いてください。
様々なものを失って、途方に暮れている者に、
立ち上がる勇気を持たせてください。
イエスさまのお名前を通して、み前におささげいたします。
―アーメン

聖句 初めに、神は天地を創造された。
     <創世記 1章1節>
賛美歌 「むかし むかし イエスさまは」「こえのかぎり 神をたたえよ」

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