えんだより2000年5月分

心をつくし、精神をつくし、思いをつくし、力をつくして、
あなたの神である主を愛しなさい<マルコ 12章30節>

 毎朝、お母さんの顔を見て「行ってきまぁ〜す」と出かける子どもたちを見送る
お母様方は「大丈夫かしら・・」「今日も元気に遊んでらっしゃい」「頑張ってね」
「やれやれ今日も元気に行ってくれたわ」などなど、様々な胸の内でおられる
事と思います。
 ”今日も機嫌よく行ってもらいたい”ときっとここにでて来られるまでに
ご家庭でいろんなドラマがあったことでしょう。
まだうまくリズムがとれなくて、「朝起きにくい」
「もう幼稚園なのだから、服も自分で着替えさせたいと思うのにぐずぐずして・・」
「朝御飯をちっとも食べずに遊び始める」などなど・・・想像させられます。
(我が子を思ってもそうでした。)
ですから、これらの関門をこえてニコニコ集合場所に立っておられる姿を見ると
本当にうれしいですし、感謝です。行き道はおしゃべりをしたり、ツバメを見たり、
鴨を見たりと、なるべく楽しく気分を盛り上げてと思い
つつ、「危なくないように」「まっすぐ歩いてよ」「手は離してはだめよ」と声を
かけながら進みます。「もう幼稚園がみえてきた」となると張り切る子どもたちです。
でもなんといっても帰り道。お母さんが見えてからの子どもたちの歩きっぷりったら
もう嬉しくて嬉しくてというのがよくわかります。「ただいま」「おかえり」で迎えられる
心地良さを、子どもたちは人生で初めて味わっていることと思います。
 以前も書きましたが、この「行ってきま〜す」「ただいま〜」の繰り返しで
子どもたちはどんどん成長していくのですね。
今までは、いつもそばにお母さんがいました。
3才になり、4才になり、お母さんに「行ってきま〜す」と言って出かけていきます。
「行ってらっしゃい」と送り出してから、さぁ子どもたちはどう過ごすのやら。
そこにはいつも見守っていたお母さんがいません。
転んで泣いたり、お友達とケンカをしたり、ドロドロになって砂遊びをしてきたり
ブロックやおままごとをしたり、
子どもたちは心を動かし、体を動かして精一杯活動しています。
うまくいって
嬉しい時、思うようにいかなくてなんかモヤモヤした時、
いろんな気持ちを抱えて
帰ってきます。でも、なにはともあれ帰ってきました。
ニコニコして「おかえり」と
受け止めてくれる人がいる。
自分のことを一番よくわかってくれている人がいる。
そう思うとなんて安心でうれしいのでしょう。
「ただいま」って言える場所があるって
ことはすばらしいことです。
 この繰り返しで子どもたちは大きくなっていきます。
そしてだんだん「行ってきま〜す」「ただいま」の間の時間が長くなり、
”行ってきま〜す”の場が、どんどん今度はその子中心の場になってきたりします。
ついには結婚し離れ離れに暮らすようになると、私なんか年に回くらいでしょうか、
実家に帰って「お母さん元気?」なんて言うようになります。
でも心が離れ離れになっているわけではないと思っています。

母がしてくれたこと、母が話してくれたこと、ふと心によぎることがあります。
年をとると今のことは忘れることはあっても、よく昔のことを思い出すと言われますが、
幼いときのあの無条件で愛された時代のことはしっかり心に残るものなのでしょう。
そして人生の基盤となる輝かしい時代です。
その時代に私たちも参加させていただいて、とても嬉しいことだと思いますし、
緊張を覚えるものです。
 ”心をつくし、精神をつくし、思いをつくし、力をつくして、あなたの神である
主を愛しなさい”5月はこの聖句を暗唱したいと思います。
急に長くなってびっくりですが、神さまは私たちのことを心をつくし、精神をつくし、
思いをつくし、力をつくして愛してくださっています。
この愛にむくいるために、私たちもまた心をつくし、精神をつくし、思いをつくし、
力をつくして神さまを愛したいと思うのです。
この愛し愛される中で、子どもたちも私たちも成長していくのでしょう。
子どもの存在そのものってすごい力だと思います。
いるだけで私の力になることがよくあります。
そして、この子どもたちもまず愛されることによってますます力を発揮し、
愛するものへと変えられていくのです。
「行ってきます」「ただいま」の繰り返しを通して、その場その場で充分愛され、
しっかり活動することによって子どもは変えられていきます。
 さぁーのびのびと活動できる5月がやってきました。
これからの子どもたちの姿がますます楽しみです。

ご在天の父なる神さま、御名をほめたたえます。暖かい季節がやってきました。
心も体もあなたの光の中で充分に活動させて下さいますようにお祈りします。
あなたの愛の中を歩ませてください。
このお祈りをイエス様の御名前を通して御前におささげいたします。
アーメン

聖句 心をつくし、精神をつくし、思いをつくし、力をつくして、
    あなたの神である主を愛しなさい<マルコ 12章30節>
賛美歌 「ことりたちは」「きよいあさあけて」

     えんだより目次へ戻る  2000年度目次へ戻る     トップへ戻る