セリカあれこれ

脳または医療関係で心に残った本

子どもが脳腫瘍になってから、「脳」とか「髄」とかいう言葉には
敏感に反応するようになりました。
有名人で脳腫瘍の方にも思い入れが深くなったり。
その後の暮らしの中で読んできた本などの紹介です。

脳と心 驚異の小宇宙
NHK取材班
日本放送出版協会

一度壊れた脳は再生しない、といいます。
しかし他の部分が壊れた部分を補って
はたらいてくれることも多いです。
病院で隣のベッドにいたある女の子は
左側の目の視野が狭く横は見えないはずだから
「将来、車の運転は難しいかもね、
でも彼氏にのせてもらえばいいよね」などと
ドクターに言われていましたが
そのあと数年もしないうちにどうもちゃんと
見えているようだとお母さんがいっていて
今ではまるっきり生活に支障がありません。
このぶんだと自分で免許も取れそうです。
人間は脳の機能を全部つかっているわけではなく、
まだまだ未知の領域といわれています。
その脳の可能性を感じさせてれる、悩める母たちの(?)
バイブルのような番組でした。

脳と心
脳と心
NHK取材班

「壊れた脳 生存する知」
山田 規畝子
講談社

いい本です!!
筆者はもやもや病の持病があり、三度の脳出血で
高次脳機能障害や、そのほか様々な後遺症が残りました。
常に前向きで、リハビリに取り組み、患者ならではの視点と
医師としての立場からと両方から、ご自分の症状を的確に語り、
世間でもよく理解がされていないという高次脳機能障害の患者と
医療関係者に大きな手助けとなっているのではと思われます。
(医療従事者や患者の家族には必読では。)
数字の認識のしかたなど、うちの娘と障害こそ違いますが
教えたからわかるというものでもないことがよくわかりますし
でも、「脳細胞は使えば使うほど刺激となって故障部分を修復する」
というのを読んでまたまた「いいぞ!脳細胞!」と応援したり♪

脳疾患に興味のない方にも「人生かくあるべし」というこの姿勢は
ぜひ読んでみてほしいです。
(これも読書感想文の課題図書にしてもいいのでは。)
その言葉のあちこちにご本人の素晴らしさが感じられます。
「あるかどうかわからない未来の病気をおそれて〜」のあたりや
「障害に恵まれて」など、やっぱり考え方が違う。
人生、投げずあきらめず、おかれた環境を嘆くこともせず
一貫して続くポジティブシンキング。
まわりの人や、素晴らしい息子さんに囲まれているのも
ご本人が素晴らしいからでしょう。
「なんのために勉強するの?」と子どもにきかれて
あなたなら自信をもって答えられますか。

壊れた脳 生存する知
壊れた脳 生存する知
山田 規畝子

Chediの闘病日記
草深 智穂, 草深 幸夫, 草深 登代子
文芸社 

ネット友Chediさんは、
MY DEAR CANCERというサイトで
ご自身の闘病記を書き綴られ
多くの人に、希望と勇気と元気をわけ与えてくれました。
2004年3月3日に天国に旅立たれたその一日前にも
携帯電話から掲示板に書き込みされました。

「みんなーくじけず闘おうぜー 自分に言い聞かせる」

Chediの闘病日記
Chediの闘病日記
草深 智穂, 草深 幸夫, 草深 登代子

医者が末期がんになってわかったこと
岩田 隆信, 岩田 規子
角川文庫

ご自身も脳外科医でありながら、皮肉にも脳腫瘍におかされ
自分で闘病記録をかかれた本です。
しかしどんどん病状が悪化していって、
読むのがつらかったです。

医者が末期がん患者になってわかったこと―ある脳外科医が脳腫瘍と闘った凄絶な日々
医者が末期がん患者になってわかったこと
―ある脳外科医が脳腫瘍と闘った凄絶な日々

岩田 隆信
続・医者が末期がん患者になってわかったこと―家族の闘いと看護の記録
続・医者が末期がん患者になってわかったこと
―家族の闘いと看護の記録
岩田 隆信, 岩田 規子

もう一度、投げたかった
−炎のストッパー津田恒美最後の闘い

山登 義明, 大古 滋久
幻冬舎

ご存知広島カープの投手、津田恒美さんの闘病ドキュメントです。
脳腫瘍に冒されながら、がんばる姿に、
影ながら声援をおくっていました。

もう一度、投げたかった―炎のストッパー津田恒美最後の闘い
もう一度、投げたかった
―炎のストッパー津田恒美最後の闘い

山登 義明, 大古 滋久

ラストホープ 福島孝徳
「神の手と呼ばれる世界TOPの脳外科医」

福島孝徳
徳間書店

テレビでよくみかける、脳外科医のドクター福島の本です。
世界で活躍していて、年に何回か、
日本へもやってきてたくさんの患者を助けています。
その年齢からは想像もできないくらい体力も気力もあり
すばやく的確な手術はまさに神の手とよぶにふさわしい。
難しい場所にできた腫瘍で、
手術がむずかしいと主治医にいわれた患者が
ドクター福島に最後の望みを託します。
テレビでみましたが、ドクターのもとには
たくさんの世界中からの手紙が山積みになっていました。
封筒に大きく書かれた「HELP」の文字。。。
私だって同じ立場だったら同じようにしたでしょう。
術式を学ぶ若い人たちに技術がうけつがれていきますように。

ラストホープ 福島孝徳 「神の手」と呼ばれる世界TOPの脳外科医
ラストホープ 福島孝徳
「神の手」と呼ばれる世界TOPの脳外科医

福島 孝徳

福島孝徳 脳外科医 奇跡の指先
福島孝徳 脳外科医 奇跡の指先
PHP研究所取材班

ばってん生きとっと!
―ヤコブセン症候群患者の娘と母の20年
福山 敦子
小学館

ヤコブセン症候群(11番目の染色体の一部がかけている)
の娘さん、沙里さんのことをお母さんが書かれた本で
生まれたときからの20年間の記録です。
新生児の頃、うまくミルクが飲めず看護師さんの一言に
悔しい思いをしたこと、心臓の疾患がわかり手術をしたときのこと、
発達がおくれていて、言ってもわからない娘を
しかりつけたときスーパーでのエピソード。
最初から障害のことをすんなり受け入れる人も
いないわけではありませんが、多くの人は、
とまどい悩む時期があるように思います。
スーパーでの出来事は、気持ちにゆとりもなく
いっぱいいっぱいだったんだろうなあと思います。
障害があると、学校でもいろいろありますが
先生との関係も、いいことばかりではないけど
お母さんは常に前向きな沙里さんとおなじく
前をむいてすすみます。
弟さんの話もでてきますが、
障害児のきょうだいは親に言わなくても
いろいろ思うことがあるのだろうなと思いました。

毎日元気な沙里さんがいて、
お母さんもみんなもがんばれる、
そんな印象をもちました。
この幸せな日々が末長く続きますように。

ばってん生きとっと!―ヤコブセン症候群患者の娘と母の20年
ばってん生きとっと
!―ヤコブセン症候群患者の娘と母の20年
福山 敦子

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